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AKテクノ株式会社

高性能分散剤


高性能分散剤は液体と粉体からなる。使用する工法、目的、土質条件、施工条件などに応じて、〔液体単独〕または〔液体と粉体の併用〕を選択する。

掘削泥水・安定液、一般ソイルセメント用


ECO-MW工法用

  液体 粉体
外観 淡黄色透明液体 白色粉末
成分 ポリカルボン酸塩 無機化合物
固形分 43wt% 100wt%
比重 1.25〜1.30 2.50〜2.55
粘度 400〜1000mPa・s
pH 7〜9
機能 ・セメント,土粒子に対して高い分散性を示す
・セメントの凝結を遅延し、ソイルセメントの流動性を保つ
・土粒子に対して分散性を示す
・所定時間後にセメントの凝結を促進する
・ソイルセメントの強度が増大する


適用例はこちら
安全性:急性毒性試験結果【LD50
  液体 粉体 (参考)食塩
測定値 27,950r/s(マウス) 4,090r/s(マウス) 3,000r/s(マウス)
※その他、重金属等の有害物質分析試験においても安全性を確認しています。
  また、同成分のものは食品添加物として認可されています。


1.掘削泥水・安定液の劣化防止効果  2.ソイルセメントの高流動化効果
地中掘削時の壁面崩壊防止として使用する泥水や安定液に、高性能分散剤を添加することにより、泥水や安定液の「凝集化・ゲル化・高粘性化」など劣化現象を防止する効果がある。  掘削地盤にセメントミルクを注入しながら攪拌混合するソイルセメントについて、あらかじめセメントミルクに高性能分散剤を添加して注入することにより、ソイルセメントを高流動化させ、その効果を長時間保持出来る。
掘削泥水・安定液の劣化防止イメージ図 ソイルセメントの流動性比較写真(フロー試験)


 
分散剤の添加量は、掘削泥水やソイルセメントの品質に大きく影響するため、添加量管理が重要となります。
分散剤を添加した掘削泥水やソイルセメント中の分散剤残留濃度を短時間で正確に測定できる簡易測定装置並びに測定方法を開発し、精度の高い品質管理、および過不足をなくし、経済的な使用を可能としています。


 
◆分散剤「アロンAKフロー、AKフロー(B)」について

1.掘削工事におけるアロンAKフロー/AKフロー(B)の作用効果
アロンAKフロー、AKフロー(B)は、掘削工事で発生する廃棄泥水の減量化とリサイクルを可能にした泥水・安定液用分散剤です。泥水掘削工事では、施工に伴い泥水中にシルトや粘土分などの微細土粒子が溶け込み、泥水の比重・粘性が上昇(劣化)します。アロンAKフロー、AKフロー(B)は微細土粒子を分散させることにより泥水の劣化を未然に防止し、泥水の清水希釈量(≒廃棄泥水量)を大幅に削減することができます。またアロンAKフロー、AKフロー(B)を添加した泥水は品質が良好なため、他の掘削工事にも再利用することが可能です。

2.工法別分散剤適用効果
(1)泥水式シールド・推進工事【アロンAKフロー】
土粒子の分散性能に優れたアロンAKフローを使用します。産業廃棄物である余剰泥水の発生量が従来の約1/10に削減されるため、フィルタープレスなどの凝集脱水処理設備が不要となり、泥水処理プラントをコンパクト化でき、設備費用の縮減に繋がります。また掘削用泥水は裏込め注入材料としてリサイクルが可能となります。

(2)泥土圧式シールド・推進工事【アロンAKフロー】
泥土圧式シールド・推進工事で注入する加泥材は、掘進地盤や地下水に含まれる塩分などにより凝集することがあります。凝集した場合、加泥材本来の機能が失われ、チャンバーでの閉塞や、スクリューゲートからの土砂噴発などが生じます。アロンAKフローはこのような加泥材の凝集防止効果にも優れています。

(3)地中連続壁、場所打ち杭工事【AKフロー(B)】
コンクリートの打設を伴う工事では、耐セメント性に優れたアロンAKフロー(B)を使用します。アロンAKフロー(B)の使用により、従来必要とされていた耐セメント用添加剤である「重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ(いずれも粉体)」が不要となり、添加・溶解の省力化が図れます。


◆分散剤「アロンAKフロー/AK助剤(併用)」について

1.ソイルセメントに対するアロンAKフロー/AK助剤の作用効果
アロンAKフローは粘土やシルトなどの微細土粒子やセメント粒子に対して高い分散性を発揮するとともに、セメントに対して凝結遅延の効果も持ち合わせています。
AK助剤は、単独使用ではアロンAKフローに比べて土粒子に対する分散効果は小さいが、併用した場合にはアロンAKフローの分散効果を補助し、経済的かつ効果的にソイルセメントの流動性を高めることができます。また、AK助剤はアロンAKフローが時間の経過とともに消費されるのに応じて、セメントの凝結を促進させる働きがあり、強度を増大させる効果があります。
アロンAKフローとAK助剤の添加比率は、適用する工法や施工条件等によって調整するが、通常、アロンAKフロー:AK助剤=1:(1.0〜1.5)の範囲であれば、ソイルセメントを高流動化させ、かつ高強度化することが可能である。また、添加量により流動性の保持時間を調整することも可能です。

2.分散剤を添加しない場合の土粒子とセメント粒子の凝集現象について

分散剤を添加しない場合は、一般的にソイルセメント中のシルトや粘土分などの微細土粒子は電気的にマイナスに帯電しているのに対し、セメント粒子は水和反応によりカルシウムイオンを溶出するとともに粒子表面はプラスに帯電している。このため、土とセメントから成るソイルセメントは電気的に両者が相互に結合して凝集・ゲル化(高粘性化)する。

粒子の凝集イメージ図

3.分散剤を添加した場合の分散メカニズムについて
分散剤を添加することにより、土粒子およびセメント粒子表面に分散剤が吸着され、電離(イオン化)作用により粒子が相互に反発して分散する。
また、分散剤は水中に溶出した土やセメントに起因するカルシウムイオンやマグネシウムイオンなど、2価以上の陽イオンと反応し化合物(難溶物)を生成して不活性化する。

  
    アロンAKフロー         AK助剤

以上の分散剤の吸着・電離作用、化合物(難溶物)生成などにより、分散・流動化(減水)効果を発揮する。
すなわち、分散剤は土粒子とセメント粒子の凝集を防止し、それぞれを個々の粒子として液相に分散させ、この様な状態でセメントの水和反応が起こり凝結することで緻密な固化体が生成される。その結果、分散剤を使用しないソイルセメントに比べて流動性が向上するとともに、強度が増大し透水係数が小さくなる。


粒子への吸着イメージ


 
粒子の分散・反発イメージ図


◆分散剤「アロンソイルA剤/アロンソイルB剤(併用)」について
分散剤としてのメカニズムは、アロンAKフロー/AK助剤とほぼ同等ですが、ソイルセメント連続壁工法(ECO-MW工法)用に開発されたのが、アロンソイルA剤/アロンソイルB剤です。
ECO-MW工法協会が平成15年6月に設立され、その施工実績は平成22年3月末現在、250件:約1,000,000u(稼動中物件除く)となっています。
ECO-MW工法は、国土交通省新技術情報提供システム(NETIS)に登録されました。
NETIS登録KK-050019
 
                ECO−MW工法協会のホームページはこちら

1.ECO-MW工法における分散剤の適用効果
  1. アロンソイルA剤/アロンソイルB剤の使用により、ソイルセメントの強度を低下させることなく、セメントミルクの注入量を従来配合(分散剤を添加しない配合)の40〜50%削減できます。
  2. 産廃泥土発生量を従来配合の50〜60%に削減できます。
  3. 産廃泥土搬出用ダンプやセメントローリー等の大型車の延台数が低減します。
  4. セメントミルク材料費(セメント,ベントナイト,混錬水)、泥土処分費等のトータルコストを縮減可能。
  5. ソイルセメントの流動性が高く、施工性(泥土処理・芯材の建て込み等)が向上します。
  6. 混練性が均一であり、壁体の品質が向上します。
  7. 減水効果によりソイルセメントが高密度化し、止水性が向上します。
  8. 二酸化炭素排出量を従来工法と比較して40%程度削減できます。
            ※ECO-MW工法による二酸化炭素排出量削減試算例(PDF/20.7KB) 
    

2.施工時の流動性の比較




   動画による比較はこちら(WMV/1.08MB)


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